・ビフォアそしてアフターコロナの実感
・何が起きているか
・定点観測へ
ビフォアそしてアフターコロナ、実感として
三田駅徒歩三分のワンルームマンションのことである。2016年購入し、以降順調に賃貸は回った。入居期間は短いが、空けばすぐに次の入居者が決まる心配無用の物件であった。それもそのはず、立地はオフィス街と大学に囲まれた飲食街の真ん中だ。需要に一抹の不安も感じさせない鉄板物件だ。
2023年春、大手半導体メーカー勤務の優良賃貸人が退去した。退去立ち合いで部屋を訪れる。奇麗に使ってくれていた。簡単なクリーニングですぐに募集がかけられる状況に安堵した。外を見れば巨大な複合オフィスビルが立ち上がり、風景も変わっていた。さらに需要が増えたことを確信した。
いつもの通り、業者に同条件での募集を依頼した。過去はおおむね半月で申込みが入り、申し込まれる方の属性も大手企業もしくは大学生で、ほぼすんなりと翌月からは賃貸料が入金された。今回も同様な展開の想定だった。
ところがひと月経っても申込み連絡がない。何故か・・・・にわかに不安が沸き上がった。
何が起きている?
募集からひと月半後、いつもお世話になっている仲介業の社長に尋ねてみた。申込み低調の原因はコロナだった。空き物件在庫が積みあがっているという。でも数年で元に戻るだろうから、賃料を減額してでも回したほうが良い、とのアドバイスに従い、大幅減額して大学生に入居頂いた。改めて近隣を見れば、確かに競合物件は多く、はす向かいには飲食店だった敷地に投資用マンションの建設が始まっていた。コロナによるリモートワークは賃借人を郊外へ転居させ、さらに飲食を諦めた物件オーナーがマンションに用途を変えている。需要は減り、供給は増える構造だ。
定点観測へ
マンション評価サイトにてこの物件の募集戸数を調べてみた。7月時点で5戸ある。これまでこれほどの空き戸数は記憶にない。さらに募集賃料も下がっている。春の募集時よりも空きも賃料も悪化している印象だ。果たして社長の言う通り元に戻るのか、つまり「冬の時代」か、それとも昭和平成と続いたワンルームマンション投資の「終焉」なのか、判断に向けて定点観測を続けていこうと思う。このブログを更新し、状況をお伝えしていきます。
2023年7月 募集5戸 賃料(平均、管理費等含まず)最低額7.8万円
2023年9月末 募集4戸 賃料 最低額7.8万円
2023年10月末 募集3戸 3階8+1.2万円、7階9+0.8万円、10階10.5+1万円(家具付き)
2023年11月末 募集3戸 3階8+1.2万円、7階8.7+0.8万円、7階10.5+1万円(家具付き)
2023年12月末 募集2戸 7階10.5+1万円(家具付き)、2階8.9+0.6万円
2024年1月末 募集1戸 7階10.5+1万円(家具付き)
2024年2月末 募集2戸 7階10.5+1万円(家具付き)、8階8.8+0.6万円
2024年3月末 募集1戸 7階10.5+1万円(家具付き)
2024年4月末 募集1戸 7階11.5+1.1万円(家具付き)
2024年5月末 募集2戸 7階11.5+1.1万円(家具付き)、7階11.1+1.1万円(家具付き)
2024年6月末 募集0戸
2024年7月末 募集0戸
2024年12月末 募集0戸
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2023年11月:当方の推察について分析記事が掲載されました。やはり都心・単身用の需要減少が厳しい。しかし直近徐々に空室率は改善していますね。社長のアドバイスは的確だったようです。上記空室状況モニターを続けます。
「コロナ禍の空室率上昇、一番影響を受けたのは30m2以下、広い部屋には影響軽微」
https://www.kenbiya.com/ar/ns/research/chintai_market/7310.html?ac=ML
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2024年1月:とうとう空きは家具付きの高額賃貸のみとなりました。周辺オフィスビルは再開発で増加してますし需要は回復したと考えてよさそうです。春に向けても空室モニターを続けます。
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