企業におけるポートフォリオマネジメントの活用状況を探ろうとする「ポートフォリオ経営番付」、第3弾となる本レポートでは総合編で上位に番付された企業が多かった製薬業界に焦点をあてた(調査対象は12社)。
2016年版番付 (幕内) |
会社名 | 評価ポイント | ||||
総合ポイント (10点) |
取組み定着度 (4点) |
戦略整合度 (2点) |
ベネフィット定量度 (2点) |
体系的廃棄度 (2点) |
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関脇 |
武田薬品工業 | 6 | 2 | 2 |
0 |
2 |
小結 | エーザイ | 5 | 2 | 1 | 1 | 1 |
アステラス製薬 | 5 | 2 | 2 | 1 | 0 | |
前頭 | 第一三共 | 4 | 2 | 1 | 1 | 0 |
中外製薬 | 4 | 2 | 2 | 0 | 0 | |
協和発酵キリン | 4 | 2 | 1 | 1 | 0 |
【取組み定着度】
エーザイ、中外製薬、協和発酵キリン、第一三共、武田薬品工業、およびアステラスの6社は「ポートフォリオ」の記述が有価証券報告書に3年以上連続であり、組織がポートフォリオに取り組んでいることがうかがえる。なお、塩野義製薬と小野薬品工業は2014年度の有価証券報告書にポートフォリオの記述があるが、2015年度には記述が無かった。
下表は、有価証券報告書におけるポートフォリオの記述数の年度別推移(除く、金融系と知財系)
・関脇:武田薬品工業
「ポートフォリオ・レビュー・コミッティー(研究開発および製品関連案件を所管)の設置」の記述がある。
・小結:エーザイ、アステラス製薬
エーザイは「事業ポートフォリオについては、我々が立地を見出し、イノベーションを連打することができる6つの分野に集中していきます。」の記述がある。
アステラス製薬は「日本では米国アムジェン社との間で戦略的提携を行い、製品ポートフォリオの拡充を図りました。」の記述がある。
・前頭:第一三共、中外製薬、協和発酵キリン
レポートの続きは添付PDFファイルをご覧ください。
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【戦略整合度】
ポートフォリオを全社的に統括する常設的な組織体が有価証券報告書に記述されている。
・武田薬品工業:ポートフォリオ・レビュー・コミッティー
・アステラス製薬:研究本部リサーチポートフォリオ&サイエンス部
・中外製薬:ポートフォリオマネジメントユニット
【ベネフィット定量度】
ROEを中核的な目標として掲げ定期的に監視評価している。
・エーザイ:ROE15%レベルめざす
・アステラス製薬:ROE15%以上
・第一三共:ROE 8%以上
・協和発酵キリン:ROE 10%以上
・明治HD:ROE 8%以上
【体系的廃棄度】
「何を行わないか」を戦略として取り入れていると認められた。
・武田薬品工業:ターゲットを絞って価値を最大化する。
・エーザイ:投資採択基準を採用し投資を厳選する。
・田辺三菱製薬:集約・再編を実施。
※本調査は金融商品取引法で規定されている開示情報である有価証券報告書を基礎として行われているため、対象会社におけるポートフォリオマネジメントに関する実態とは異なる可能性がある。